DXに関わる
ビジネスパーソンに役立つ
プログラミング的思考

Vol.008 2022年7月20日

2020年度から小学生へのプログラミング教育が必修になりました。この主旨はプログラミングを通してモノゴトの手順や組合せを論理的に考える力を養うこととされており、この考える力は「プログラミング思考」と定義されています。このプログラミング思考の定義を少し拡張して人・モノの関係性までを対象とすると、ビジネス現場でDXを考える際にとても強力なツールとなります。
今回は、これを「プログラミング”的”思考」と称して、DXやBPRの検討に役に立つ4つの観点とその図化方法を紹介します。

1.データ構造

プログラム化する現実世界の対象(モノ)をコンピュータ上に表現したもので、ER図やクラス図で記述します。DXを考える際、ビジネスに関わるモノや情報の存在をER図やクラス図で整理することから始めるのは良策です。

ER図

2.アルゴリズム

データを処理する手順を明文化したもので、フローチャート、データフロー図や擬似的なプログラム言語で記述します。DXを考える際、業務手順をフローチャートや擬似言語で記述することで理解を深めたり、論理的な検証が可能になります。

データフロー図

3.モジュール

特定の機能をもつ汎用的なアルゴリズムの入出力を定義して名前をつけたもので、通常は複数のモジュール間の関係性を機能モデル図やコンポーネント図などで記述します。DXを考える際、人や部署をモジュールとして抽象化し、モジュール間の関係性を組み替えたり、新しい機能のモジュールを追加するなどでビジネスの設計や最適化を検討します。

機能モデル図

4.モジュール間通信

モジュール間でのデータ(メッセージ)のやり取りを表し、シーケンス図などで記述します。DXを考える際、データはどこで作られ、どの人や部署間で、どんなデータが、どんなタイミングでやり取りされているのかを明らかにし、業務フロー上のムダやボトルネックを排除を検討します。

シーケンス図

さて、今回はDXやBPRにプログラミング的思考を取り入れるというテーマで、弊社が実務で活用しているツールをご紹介しました。DXに関わり今後、プログラミングを学ばれる方は、上記の観点を中心に学習されると実務に役立つという意味で効率的だと思います。