設計用知識プロセッサ
『NaU DSP』

Vol.001 2021年7月20日

現在、弊社が汎用ルールエンジン「NaU DSP」として提供しているソフトウェアは、元々は機械設計者や建築士といったいわゆる設計者の知的生産性を向上するツールとして誕生しました。

2000年頃のNaU DSPのパンフレット

1980年代後半、一部の先進的な設計者は関数電卓や表計算ソフトを駆使して設計計算の効率化を試みていました。ところがこれらのツールを使いこなすためには一定の修練が必要で、また作成した数式やプログラムは再利用が難しいという課題がありました。この課題を解決するため設計者なら誰でも簡単に設計知識を記述して設計計算を自動化できるツールとして「NaU DSP」が開発されました。初期バージョンはPC9800で稼働しており、後にUnix版、Windows版が開発され、1998年に弊社が設計用知識プロセッサ「NaU DSP」として販売をはじめました。当時は大手精密機器メーカーやプラント設計会社などに採用いただきました。


2003年頃、医療の安全性向上と医療従事者の負担軽減を目的としてルールエンジンを病院システムと連携させ臨床判断支援システムを実現したいという話がおこります。そのときに「NaU DSP」にEnterprise Javaとのインタフェースやマルチスレッド機能などが実装され、現在の汎用ルールエンジンへと進化を遂げます。その後も「NaU DSP」はパフォーマンス改善などを繰り返し、通信会社の顧客システムやエネルギーマネジメントシステムなどより大規模なシステムに採用されるようになりました。


このように「NaU DSP」は他のプロダクション(IF-THEN)型ルールエンジンとは全く異なる起源をもっており、これが他社にない独自の推論機能(後進判断や提案型判断)やコンテンツ管理機能の由来になっています。誕生から既に30年以上も経過していますが、複雑な設計知識を対象に作られたコンセプトは全く色褪せず独自の進化を続けております。
今後、ますますデジタル社会が進むなかで「NaU DSP」は、より広域なシステムでデジタル知識を扱うプラットフォームへと進化を構想しております。


日本で生まれた独自のルールエンジン「NaU DSP」を、今後もご愛顧いただきますよう、よろしくお願いいたします。