- Vol.001 設計用知識プロセッサ『NaU DSP』
- Vol.002 健康管理支援システム 「NaU HCS」
- Vol.003 業務マニュアルのデジタル化のすすめ
- Vol.004 IPA DX白書2021を読み解く
- Vol.005 目指せヤタガラス人材
- Vol.006 大胆な変化を恐れないことが事業継続の要諦
- Vol.007 ソフトウェア工学の古典に学ぶ
- Vol.008 DXに関わるビジネスパーソンに役立つプログラミング的思考
- Vol.009 レガシーシステムのモダナイゼーションを効率的に進める業務ルール抽出方法
- Vol.010 RPAと『NaU Rulebook』の連携がより簡単に
- Vol.011 ルールエンジン適用業務マップ~行政の許認可業務編~
- Vol.012 ルールによる住所チェックの自動化
- Vol.013 作らない技術のための技術
- Vol.014 ~業務マニュアルの考古学~業務自動化を図る際の業務マニュアル分析の視点
- Vol.015 グラフィックファシリテーション~ソフトウェア開発を円滑にするツール~
- Vol.016 書類チェック自動化検討の進め方
- Vol.017 業務知識に基づくデータ突合の自動化 ~NaU Rulebook DataCheckerの裏技~
- Vol.018 『NaU Rulebook 2023』 ChatGPTとの連携により業務自動化が新たな次元へ
- Vol.019 ルールエンジンと大規模言語モデルの連携方式で特許出願
- Vol.020 画像データ自動化の新たな可能性: ChatGPT & ルールエンジン
- Vol.021 ~ルールエンジンで社会課題解決~入所施設選考業務の自動化
- Vol.022 審査業務の自動化は『急がば回れ』
- Vol.023 DX「業務自動化」の着眼点
- Vol.024 OCRと連携するルールエンジン~DXに与えるインパクト~
- Vol.025 ユニークなインターンシップ
ソフトウェア工学の
古典に学ぶ
Vol.007 2022年6月17日
ソフトウェア開発や業務改善、最近ではDX推進チーム編成の話になると頭に浮かぶキーワードがあります。それは「外科手術チーム」です。
これは約50年前に書かれたソフトウェア工学とプロジェクト管理の名著『人月の神話 狼人間を撃つ銀の弾はない』で紹介された考え方です。著者は元IBMのソフトウェアエンジニアのフレデリック・P・ブルックスで、彼が大規模オペレーティングシステム開発プロジェクトに関わった(そして失敗した)経験をもとに書かれた本です。内容は今でも色褪せず、ソフトウェア開発だけでなく、様々なプロジェクト管理に適用できる示唆に富んでいます。
この「外科手術チーム」は、優秀なプログラマの生産性は一般的なプログラマの生産性の10倍以上高いという前提から、優秀なプログラマをコミュニケーション負荷と雑多な作業から解放することでチームパフォーマンスの最大化を目的とします。
「外科手術チーム」は、次の9つの役割で構成されます。
執刀医
経験と才能を有するプログラマーです。プログラムのデザイン、実装、テスト、ドキュメント化の責任者かつ唯一の意思決定者
副執刀医
執刀医と同等の技能を有するが経験は浅い。執刀医の議論相手となる。執刀医に何かあれば代役となる
管理者
チーム外との調整事や人事など事務的な側面を担当
編集者
執刀医の指示でドキュメンテーションを担当
二人の秘書
管理者および編集者の秘書
プログラム事務係
プログラム(成果物)の変更履歴等を管理
ツール製作者
テスト実施
テスト担当者
執刀医の指示でドキュメンテーションを担当
言語エキスパート
プログラミング言語に精通し、執刀医に最適な方法を助言
このチーム編成は、DX推進においても有効だと思います。事業構造の改革を伴うDXにおいては、ことさら責任者の活躍が重要です。優秀な方でも孤軍奮闘になっていたり、大勢の方が自身の立場で意見し進まない、など起こっていないでしょうか。このようなお悩みがありましたら、一度、この「外科手術チーム」を検討されてみてはいかがでしょうか。